物理学関連
第10章 シュレディンガー表示とハイゼンベルク表示
シュレディンガー表示 時刻tにおける系の状態を \(\left|\left.\ \Psi\left(t\right)\right\rangle\right._S\) とする。このとき、Sはシュレディンガー描像の意味し、\(\left|\le...
第9章 ブラ・ケットベクトル
ブラ・ケット記号は、複素数体ℂ上に存在するベクトル空間Vにおいて、内積を考える上で便利な表記法である。ブラケットとは〈 〉を意味し、ブラベクトルとケットベクトルを作用させることで内積を表す。また、線形性を示し線形結合する。 重ね合わせの原理...
第8章 波動関数の反射と透過
電子をポテンシャルで閉じ込められない状態を考える。その際、ポテンシャルの壁では波の反射と透過が起こる。また、電子がポテンシャルの壁を透過する現象をトンネル効果と言う。 確率密度の保存 電磁気学のおける電荷密度の保存則と同様に、確率密度につ...
第7章 井戸型ポテンシャル
量子力学では、位置に関するシュレディンガー方程式を用いて、量子に関する多くの問題を解くことができる。その例として、今回は井戸型ポテンシャルを扱う。 井戸型ポテンシャルの例 図1の様な井戸型ポテンシャルを考える。 これは非常にオーソドック...
第6章 変数分離法
波動関数の様にxとtの独立した二変数関数を持つ場合、波動関数をxとtの独立した変数を持つ固有関数の積として考えることができる。この手法を変数分離法と言う。 変数分離 具体的に、位置に依存する関数をX、時間に依存する関数をTとして、一次元の...
第5章 不確定性原理
量子論では厳密なパラメーター設定が出来ません。その理由として、パラメーターが微細に変動するからです。その変動をゆらぎと言います。 ゆらぎ 古典力学と量子力学における、決定的な違いは位置が完全に決定出来るかどうかである。 量子力学では、物...
第4章 演算子と交換関係
シュレディンガー方程式を導入した際に定義したハミルトニアン演算子は、波動関数から固有値としてエネルギーを取り出すものでした。 ここでは、もう少し広く演算子と言う概念の性質に触れてみたいと思います。 交換関係 演算子の構造は微分などが含ま...
第3章 確率解釈
前回の議論では、波動関数が従うシュレディンガー方程式を導出しました。 さて、波動関数は理論の都合上、虚数を含む複素関数でした。しかしながら、実際に我々が観測できる位置や運動量等のパラメーターは、虚数では無く実数です。 この問題をどう解釈...
第2章 シュレディンガー方程式
量子力学で最も有名と思われる方程式、シュレディンガー方程式の導出方法について話です。 波動関数 前回の議論で、電子は物質と波の性質も持つと言う話をした。そこで、電子を波束と言う波と解釈し、その性質を示す波導関数を導入する。 まずは、古典...
第1章 量子力学の始まり
開始早々身も蓋も無いことを言うが、量子力学は間違った理論と言える。 その理由を述べると、相対論的効果を考慮せず、場の励起状態ではなく波束を粒子と考える点などがある。 しかしながら、量子力学はエネルギー領域の低い我々の身近な所で、多くの物...