機械学習 -ノーベル物理学賞2024-

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2024年度のノーベル物理学賞は『機械学習』でした。

それでは、機械学習とはどんなもので、何故物理学の分野で受賞したのだろうか?について話していきたいと思います。

機械学習とは?

機械学習とは、狭い意味での人工知能の様なものです。人工知能(AI)と言うと人間に近いか、それ以上の知性をコンピュータで再現したものと言うのが一般的な認識かと思います。例えば、ドラえもんも人間に近い自立行動が出来る高度なAIが搭載されたロボットです。

その様な広い意味での知性に対して、機械学習はデータを使って学習し予測することに特化した人工知能になります。具体例を述べると、画像認識(AとBの画像を判別する)、言語処理(テキストを理解し翻訳や要約を行う)、予測(経済や天気などの予言)などが得意です。

深層学習

機械学習の一種に深層学習(ディープラーニング)と言うものがあります。深層学習とは、人間の脳の神経回路を模したニューラルネットワーク(NN)と言うプログラムを用いた機械学習の一種です。一言で述べると、ニューラルネットワークに何かしらの学習データを入力すると経験を積み結果を出力すると言うプログラムである。

図1 多層化されたニューラルネットワークの例

図1は、レイヤー1にデータを入力すると、レイヤーNにその出力が得られると言うディープニューラルネットワークの例です。

逆問題

また、機械学習において特に重要な事項が逆問題を解くことが出来ると言う点です。

逆問題を簡単に解説するため、y=f(x)の様な数式を定義します。この数式は関数fにxの値を代入するとyの値が得られると言うものです。基本的に関数fの形は確定しているのが前提として、データxとyの値の関係を示しています。このとき、機械学習を用いると、xとyのデータから、逆に関数fを導出することが可能となり、これが逆問題を解くと言う事になります。

平たく言うと、データから未知の関数を導出することが逆問題を解く事に該当します。

機械学習と物理学

さて、それでは機械学習と物理学の関係性について述べて行きたいと思います。

多層型のニューラルネットワーク(ディープニューラルネットワーク)を用いると、様々な関数を近似できる万能近似定理と言うものがあります。そして、機械学習における物理学的な意味は、ある自然現象においてその背景にある関数の近似を獲得することが可能と言う事です。つまり、深層学習は物理現象の背景にある関数を得られると言う強力なツールと言う事になります。具体的に、図1の出力に他応する数式は以下の様に得られます。

また、学習の目的は以下の様な誤差関数の値を小さくすることになります。(2)式は、|出力結果ー実際の値|が小さければ誤差が小さくなるので、学習で得られた関数のパラメータの信憑性が上がると言う事になります。

まとめ

今年のノーベル物理学賞は機械学習が受賞しましたが、物理学の分野に大きく貢献したからだと言えます。

taku物理

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