大学入試共通テストの様なマークテストでは、選択肢を作成する手順が存在し、それを利用することで、ハズレの選択肢を見破るテクニックの存在が一般的に知られています。
そこで、高校入試にも使えるのではないかと考え、試してみたところ、かなり感触が良かったので紹介しておきたいと思います。
今回扱う問題は高校入試のものですが、問題を解くエッセンスは大学入試と大差ありませんので、基本的な解答アプローチが参考になればと思います。
一応今回使用する問題は都立高校の入試問題ですが、都道府県を問わず使用できると考えられます。
まずは下記の国語の入試問題を別端末、または別タブで開くか、印刷して手元に置いておくとやり易いでしょう。
都立高校の入試問題の配点は、漢字20点、選択肢問題70点、記述10点の合計100点満点です。漢字については地道に漢字ドリルをやり込んでもらうしかありませんが、漢字と選択肢問題が全部解ければ90点、記述は無対策でもなんとか埋めれば部分点が貰えると思います。
つまり、7割を占める選択肢問題を攻略することが、合格点を獲得するための最も近道だと考えられます。今回はその選択肢問題を攻略する方法を実例を述べて説明したいと思います。
まず、1⃣と2⃣は漢字の読み書きなので置いておくとします。
手法
基本的には、消去法を行う。
まず問の文章を読み、その文の意味を一言で解釈する。
選択肢を読み、解釈が異なるor日本語としておかしい選択肢にXを付ける。
選択肢のみで判断できない場合は、本文の問に該当する部分の少し前を読んで判断する。
重要なのは論理的な思考と解釈力、正解にするとクレームの電話が入りそうな怪しい選択肢は正解にならないと言う常識力が大切。
大学受験レベルの入試では問題文、選択肢、記述のテクニックが重要となるので、本文における筆者の主張を見抜いてマーキングするテクニックが大切だと思います。これはそのうち書くかもしれません。
高校入試、大学入試において、共に日本語の解釈能力が要求されているので、高校入試の問題でテクニックを練習してから共通試験、二次試験等に応用すると良いと思います。
小説
高校入試の小説の文章はめちゃくちゃ簡単なので、マーキングする必要はないと思います。する場合は感情表現の含まれる文章にマークしましょう。理由は、感情が変化した理由が問われやすいためです。多くの文章は読む意味がありませんので、その感情になった理由が推測できそうな部分にマークしましょう。
問1 まず初めに、「……え?」と言う表現は、普通に考えたら何か意外なことがあって驚いたと考えられます。なので、雪乃の気持ちは驚きに関係した内容のはずです。アは聞いてみたいと言う好奇心なのでX。イは人を疑うなどネガティブな回答は教育上良くないので、正解になりにくいのでX。ただし、自信が無ければ保留にしておいて、傍線部の少し前を読み、なぜ約束を守ってくれなかったの?と言う主人公の戸惑う様子が読み取れれば正解が分かります。ウは悔しさではないのでX。そして、正解はエですね。理由は、え?っと思い戸惑ったとつなげてみると、意味が通じます。それゆえ、非常に無難な選択肢だと思われます。
問2 問を要約すると、めちゃくちゃ急いでいたですね。そして、余分な表現を書かず、展開をコンパクトに表現して、いかにも急いでいる感がします。アは焦りから不安へと変化とありますが、脇目も振らずに急いでいるときにそんなことを考えている余裕はないのでX。正解はイですね。短い文の組み合わせで、場面の変化の速さにより、急いでいる様子を表現しています。ウは同じ語句の繰り返しが出てきません。エは全く詳しく書かれていません。
問3 声を飲み込むとは、一般にやっぱりやめておこうと言うためらいの心理描写です。アは決めかねているとマッチしません。イは困惑なので意味が合いません。ウはためらいなので正解です。エは誠意を示せないと自己完結していて意味が分かりません。
問4 とりあえず、待っていたと言う描写ですね。そして、最後に「ねぼすけめ」と付け加えています。これについてはプラスの気持ちかマイナスの気持ちかで考えるとプラスですね。そして、少し微笑みながら言ったのではないでしょうか? 正解はアですね。嬉しそうに迎え入れるがマッチしています。イは反省を促そうはネガティブなマイナスの表現でX。ウは照れ隠しの表現なら「べっ、別に!」とかそんな感じの事を言いそうですね。照れ隠しの表現ではないのでX。エは文章自体が意味不明です。
問5 父も勉強してるんだと感心した理由ですね。アは父に学びたいと言う願望で理由ではありません。イは尊敬する理由を理解と見当違いな文です。ウは他人と比べた結果を言っているのであれば失礼なので教育的に良くありません。そして、手本にしたいと思っているわけでもありません。エは大人(父)たちも工夫しているんだと感心した内容なので正解です。
評論
本質をとらえて設問を要約できるかどうかが評論を解くカギです。また、選択肢に一般論で反論できそうな内容があるとそれも答えになりにくいと考えられます。本文を読む場合は、どの文がどの文の言い換えなのかを把握しながら読むのが良いでしょう。その言い換えを見抜く癖をつけることで、大学入試レベルの記述問題を解く基礎が身につきます。詳しくは後ほど。
問1 生命の知能は計画的な行動の複雑さで評価できる。アは人間と同程度の社会性があるわけではないのでX。イは動物は定められた方法があるが、人間は最適な方法でとあるので矛盾しているのでX。ウは矛盾が無いのでO。エは人間の子供に限定しているのでX。
問2 脱既存?←は文章を読まないと良くわからなそうだが、とりあえず設問を見る。アは人間しかがおかしい。少なくとも猿は道具を発明して使ってきたのだから。だけ、のみ、しか、必ず、絶対 などの極端な限定表現が使われた選択肢は、反例があれば必ずXになる。イは言葉に依存する人間の思考がも変(人間の思考を他者に表現する道具が言葉)だが、経験に基づく行動は人間だけではなく動物もするのでX。ウは目的と行為が固定されてるのが人間だけと言う部分が良くわからないのでX。エは特に矛盾が無いので正解。
問3 アは正解。8段落で考え方の説明がされた上で、9段では考える行為の目的についてと、段落の流れが自然。イは他のアウエの選択肢が説明を追加するための選択肢を示唆しているが、これだけ話題の転換と雰囲気が違うので怪しい(本文を読まないと断定できない)。ウはわざわざ次の段落に要約を載せるのはおかしい。段落は議題を変える時に使うもので、前段落と同じ話題ならば、追加説明の段落の可能性がある。エは一つ一つを説明しと言う表現が、本質をつかんでないように思われるのでX。
問4 本文が言いたいのは、具体化するとミスが見つけやすくなると言うこと。アは可視化とは紙にでも思考プロセスを書くの?←本文を見ないとわからない。ただ、明示=可視化 と解釈ミスさせようと誘導してる気がする。イは思考を言語化で具体化させるということでO。例えば、ディスカッションなども、それを生かして思考を洗練させる手法。ウは無意識に考える必要が無くなると言うのは意味が分からないのでX。エはなぜここで電子化の有効性がでてくる?意味不明なのでX。
問5 ここでは記述について詳しく述べないが、最後の段落で、コンピュータ化できないの言い換えは脱依存概念なので、本文のその関連事項にマーキングして作文すればよいだろう。
古文
古文や漢文については知識量が重要となりますが、やはり文を読んでどう解釈するかも解答をする上で重要な要素だと思います。
問1 ご縁とはAとBの何かしらのつながりなので、ちぎりと言う人と人との約束を意味するエが正解。
問2 前者が言った発言の内容を受けて、目崎さんが解釈した話(自分の意見)を言う切っ掛けにしている。アは相違点を探そうとしているので、話の流れをぶった切っている。イは話題Aを受けてBの発言なので、AはBの言い換えのはずなので、新たな視点ではない。ウは詞書が散文と対応していれば正しそうだが、本文を読まないとわからない(問3の選択肢を見ると対応してそう)。一応これが正解。エは違いについて話しているわけではないのでX。
問3 詞書の助けと美しさに注目。アは全てが言い過ぎなのでX。イは助けと補い、文章の魅力の両方が対応しているので正解。ウは組み合わせなくても物語だし、美しさについて書かれていない。エは文が短くなれば幅広い表現は厳しそうなのでX。
問4 アはかなり無難だが、他の選択肢を良く見てから決断しよう。一応これが正解。イは旅行の表現と対応する点が皆無なのでX。ウは和歌の無いと独立したが対応していないのでX。エは第一人者が~は問題製作者の感想なのでX。
問5 本文を読まないと無理。アイエは名詞と名詞の間に「AのB」みたいな使い方だが、ウだけは違うのでこれが正解。
まとめ
小説では、問の文を読んで感情表現の言葉に解釈できるかが重要となります。例、えっ?→意外なことがあって驚いた→驚きに近い表現の選択肢が正解。
評論は長い文章を一言に言い換える要約が大切だと思います。大学入試二次試験レベルの記述の場合でも、「OOとは何か説明せよ。」の問に対し、文を読んで、例えば「日本は海外より幸福度が低いこと」の様にまずシンプルに要約した解釈をします。その上で本文の作者の主張と言い換え部分をマークし、その言い換えを代入します。すると、「日本は物に溢れた一見すると裕福な国だが、日々生きていることに感謝する外国と比べると国民の幸福度が低いこと。」の様にそれっぽい解答が完成します。詳しくは後ほど。
古文漢文は知識が大切です!
今回の内容は以上です!
観覧ありがとうございます(*’ω’*)
#現代文 #大学入試 #高校入試 #受験
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